鮨処なごやか亭

人生の方程式   その二

前回に続き、人生の方程式についてのお話です。

 

4.マイナスの考え方で生きれば人生の結果もマイナスになる

 

 

人生の方程式が、足し算ではなくどうしても掛け算でなければならない理由を、1970年に赤軍派が起こした「よど号ハイジャック事件」の青年の例を考えてみます。事件詳細のご説明は皆様ご自身でご確認を頂きたいと思いますが、稲盛和夫氏の次の言葉がマイナスの考え方の人生における評価を要約しています。

 

『ここにおられる皆さんのなかにも、若い頃、燃えるような正義感を持ち、不平等で矛盾だらけのこの腐敗した世の中を改革したい、みんなが楽しく過ごせる平等な社会を作りたい、と思っていた方がたくさんおられるでしょう。私もその一人でした。そういう思いを抱いていた人間の一部が過激派に走り、テロを通じて世の中を変えていこうとした。それがあの日本赤軍だったのです。』

 

『若い頃は正義感にあふれ、素晴らしい能力も熱意もあった青年が、自分のたった一回しかない人生を、たとえわずかであってもマイナスの考え方を持ったために棒に振ってしまう。このような例を見ても、「考え方」はたいへんに大事なものだと改めて思います。』と稲盛和夫氏は仰っています。

 

 

5.「良い心」と「悪い心」

 

稲盛和夫氏は次のように仰っています。『方程式のなかの「能力」を「才能」という言葉で言い換えることもあります。(中略)才能を使うのは「心」です。(中略)その意味でも、心、あるいは「考え方」はとても大事なのです。

 

しからば、この方程式で言っている「考え方」とは何なのか。それは、福沢諭吉の言う「哲学」という意味でもありますし、今の話のように「心」と言っても構わないでしょう。または、「思想」「理念」「信念」などと置き換えてもいいでしょうし、あるいは人間の「良心」と言ってもいいかもしれません。そういうものを総じて「考え方」と呼ぶわけです』

 

と、人生の方程式における「考え方」について説明をして下さっています。そして、「考え方」はプラスの方向の「良い心」であると説明をしてくださり、

 

 

『つまり、さきほどの方程式は、「良い心×熱意×能力」と言ったほうがわかりやすいのかもしれません。』

 

と教えて下さっています。ここで、哲学者などが定義をしてくれていないようなので、稲盛和夫氏が良い心の定義をして下さっています。この定義は、人生の方程式の「考え方」を語る上で、たいへんに大切な教えと考えます。

 

 

良い心とは、『常に前向きで、建設的であること。みんなと一緒に仕事をしようと考える協調性をもっていること。明るいこと。肯定的であること。善意に満ちていること。思いやりがあって、優しいこと。真面目で、正直で謙虚で、努力家であること。利己的でなく強欲でないこと。「足る」を知っていること。そして、感謝の心をもっていること。』と教えて下さっています。この反対が悪い心です。

 

 

この「良い心」については、フィロソフィの学び8月21日投稿文でも触れています。

人生の方程式についてのお話は次回に続きます。

 

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