人生の方程式のポイント説明 その三 です。
6.考え方こそが人生を決め、運命を変える
人生の方程式における「考え方」についての要点です。
『たしかに、どんな考え方を持つのも自由だと思います。しかし、その自由のなかで自分がどのような考え方を選択するかによって、自分の人生、運命が決まってしまう、そこまで分かっている人が、果たしてどれだけいるでしょうか。この方程式からいえば、自由である考え方、自由である心、自由である思想、哲学、その選び方によって、運命は一八〇度変わってしまうわけです。』という教えです。要は、「どんな考え方をしても自由だけれど、それによってあなたの運命が決められるのです」ということを分かっていただけるかどうかということが大事なポイントかと思います。このことを、学校でも、会社でも、教えてくれないのが現実です。
『今述べてきたようなこと、つまり「良い心」「悪い心」とはどんなものかということは、元来、宗教や、道徳倫理などの教育が教えてきたものです。ところが、近代に入ってから、我々は宗教にあまり重きをおかなくなり、戦後教育でも宗教を離れてこそ真のインテリだと言われて育ってきました。』と稲盛和夫氏は仰っています。『それがなされていないがために、どんな考え方をしようと、それは知的な意識の遊びであって、自分の人生とリンクしているわけではない、と考えている人が多い。そして、考え方がそのまま人生に現れる、つまり、人生は心に描いた通りになる、ということを信じていないために、この人生方程式も信じようとしないわけです。』と稲盛和夫氏は仰っています。
稲盛和夫氏は、中村天風さんの言葉を引用してお話をすることがあります。その天風さんの言葉は次の様です。「自分には輝くような未来が待っているのだ、素晴らしく明るくて、幸せな人生が拓けえていくのだと、それをただ一点、建設的に、ポジテイブに、前向きに思い、明るく人生を考えなさい。決して陰々滅々とした暗い思いを持ってはなりません」という教えです。
『我々凡人に対しても分かりやすいように、「明るく前向きに考えていきなさい」と、単純な言葉で諭しておられるわけです。』と説明をして下さっています。また、稲盛和夫氏は、『陰隲録(中国明代の古書の逸話)』を引用され、「人生はあらかじめ決まっているものではない。たしかに人間には運命というものがあるかもしれないが、それは宿命ではなく、変えようと思えばかえられるのだ』と教えで下さっています。
7.フィロソフィは、血肉化しなければ意味がない
稲盛和夫氏がいつも私たちに説いて下さっているお言葉です。
『私の話を血肉化し、自分の思想、理念、哲学まで高めていなければ、それはまだ自分の「考え方」になっていないのです。たとえ無意識であっても、その考え方で行動できるようにならなければいけません。フィロソフィの内容を何度も反芻し、皆さんの中で血肉化していくように努めていただきたいと思います。』という塾長の言葉を常に心に刻みたいと思います。
皆様が、人生の方程式を血肉化し実践されて、より素晴らしい人生をおくられることを切に願います。